ゲーム機のコントローラー搭載の原子力潜水艦

こんにちは!

宝塚商工会議所パソコン教室 です!

 

意外に思われるかもしれませんが、ゲーム機のコントローラーのなかにはパソコンやスマートフォンに接続して使用できるものがあります。

前世代のゲーム機はコントローラーの入力端子がゲーム機独自のものが多く、他の機器に接続すること自体出来ないのものが大多数でした。

近年はコントローラーの接続にUSB端子を使うものや、Bluetoothを使うもの等、マウスと似たような端子のコントローラーが主流になりました。

そしてついに、原子力潜水艦にTVゲームのデバイスが搭載される時代になりました。

 

ゲーム機のコントローラーで潜望鏡を操作

3月17日に就役したアメリカ海軍の攻撃型原子力潜水艦「コロラド」が、家庭用ゲーム機「Xbox」のコントローラーを攻撃型潜水艦として初めて採用しました。

Xboxコントローラーは、潜望鏡の代わりとなるフォトニクスマストの操作に使用します。

従来の潜望鏡は1人しか見ることが出来ませんでしたが、先端にカメラが取り付けられたフォトニクスマストは、その映像をマルチスクリーンに映し出して大勢で見られるというものです。

 

なぜゲーム機のコントローラー?

ゲーム機のコントローラーをわざわざ使うメリットは、大きく分けて2つあります。

まず1つ上げられるのは既存の技術を使うことでコスト削減できることです。

フォトニクスマストの操作にこれまでは3万8000ドル(約403万円)する専用のジョイスティックを使っていましたが、コロラドではこれを約30ドル(約3000円)のXboxコントローラーに変更したことで、コストは大幅に削減できます。

2つ目に、若い船員たちが使い方に慣れているというメリットがあるということです。

使い方に慣れていることで、訓練に時間をかけなくてもすぐに使えるようになります。

 

ゲーム機のコントローラーで耐久性は大丈夫?

ただ、コストダウンや使いやすさのためとはいえ、民生品のゲームコントローラーを使用するのは信頼性や耐久性などの面で問題も出てくるはずです。

しかしこの点についても、もちろん考えられています。

バージニア級原子力潜水艦は、もともとコスト削減のため民生品の転用を積極的に行っていく方針で設計されており、艦内の各部がモジュール化されています。

こうすることで、壊れた箇所をすぐに交換でき、耐久性などで劣る民生品を使用するリスクを軽減しています。

潜水艦の耐用年数の間、Xboxのコントローラーが存在するかという点も気になりますが、このモジュール化により、実際には他のコントローラーも使用可能なものと考えられます。

 

なお、米海軍ではコロラドが初となりますが、米陸軍とボーイング社が開発中の車載用レーザー兵器 HEL-MD(高出力レーザー移動デモンストレーター)の操作にもXboxのコントローラーが用いられているようです。