IoTを使った中学校での熱中症対策

熱中症が社会問題となる中、IoTを使った熱中症対策のトライアルが吹田市の中学校行われています。

学校での体育の授業や部活動等、屋内外で運動を行う生徒は、大人よりも体格が小さく、熱中症リスクが高まると言われています。

 

そのトライアルは、吹田市、西日本電信電話株式会社(NTT西日本)、株式会社NTTフィールドテクノ、株式会社フジクラが行っており、IoTを使った熱中症対策の実証実験を、吹田市立南千里中学校で、2019年7月30日~2019年9月30日期間行っています。

(NTT西日本のプレスリリースはこちらから)

 

この実証実験では、IoT規格の1つである「LoRaWAN」を活用して収集したデータに基づき「暑さ指数」を算定し、教職員などが端末を通じてタイムリーな注意喚起を実施する新たな熱中症対策のあり方について、公立学校における実用性を検証するトライアルを実施しています。

※ちなみに暑さ指数とは、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標で、人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい <1>湿度、<2>日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、<3>気温の3つを取り入れた指標だそうです。

 

「暑さ指数」の算定方法は、吹田市立南千里中学校の運動場と体育館の2箇所に計測センサーを設置し、温度・湿度・輻射熱等を計測します。計測したデータは、LoRaWAN™ を通じてクラウド上に蓄積され、職員室内のPC・タブレット等から暑さ指数等を確認できるようになっていて、運動場や体育館に設置したパトランプやメールにより教職員・生徒等に対してタイムリーに注意喚起し、暑さ指数に応じた速やかな対処を促していけるそうです。

 

 

<ネットワーク・計測センサー等の構成イメージ>

 

 

<データ収集~通知(警告)までのフロー>

また今回の検証項目の1つとしてあげられているのが、暑さ指数可視化の有用性です。

これまで、教職員等が温湿度計などを確認したうえで実施していた危険度の判断を、職員室内のPC・タブレットや、運動場・体育館に設置したパトランプ、メールにより、視覚的に視える化することでタイムリーに注意喚起につなげる効果を検証します。また、暑さ指数を5段階で表示することで、暑さ指数に応じた対応の検討(未然防止等)を行います。(プレスリリースより引用)

 

そして今後は高齢者を対象とした熱中症対策などの幅広い分野に活かしていきたいとのことなので、熱中症への注意喚起の手段が増え、未然防止に繋がっていけば良いですね。