スパコン「京」運用終了

理化学研究所(神戸市)のスーパーコンピューター「京(けい)」8月16日に運用を終了しました。

データのバックアップなどを経て、8月30日にシステムを停止します。

 

1秒間に1京(1兆の1万倍)回の計算をこなすことにちなみ命名され、2012年に本格稼働して以降、複雑なシミュレーションが可能な京は、ナノテクノロジーや防災などさまざまな研究に活用されてきました。

延べ約1万1000人の研究者、200社以上の企業が使用しました。

巨大地震の揺れと津波、地殻の動きを同時に予測できるソフトウエアの開発や、台風の発生を高精度で予測する研究など防災研究を発展させました。

また、医療分野でも、心臓をコンピューター上で分子レベルで再現し、病因の解明や手術方法の選択につなげる研究など多くの成果を出し、約1300本の学術論文に貢献しました。

 

2011年にスパコンの計算速度を競うランキングで世界1位を獲得しましたが、今年6月公表のランキングで京は世界20位に後退しました。

 

2021年をめどに、後継機の次世代スパコン「富岳(ふがく)」を稼働させる予定です。

日本の科学技術の象徴は、京の100倍以上の計算能力を目指す後継機「富岳」に引き継がれます。